★EV・DX等研究委員会の研究課題として
~電子教科書は教育現場で必要?~
電子書籍が席巻するように世の中で騒がれてから
約15年になるが、本当に教育現場で使えるのだろうか?
当時、国際電子出版フォーラム(英語版)(International Digital Publishing Forum, IDPF)が策定した、オープンフォーマットの電子書籍ファイルフォーマット規格として『EPUB(イーパブ/.epub)』が発表。今まで.pdfデータから取って代わると言われ、出版業界は、大変に大騒ぎしたものである。しかしながら、こちらも15年経過した未だに印刷データや電子書籍の入稿は..pdfデータが主流で、.epubデータで入稿して欲しいとは、ほとんど言われないのが現状だ。確かに世の中のテクノロジーは日進月歩で変化していき、インドや中国も月にロケットを飛ばす時代。民間人が宇宙へ旅行でき、連絡手段などもスマホとビデオ通話(テレビ電話)、買い物もネットを利用して翌日には手に出来る。税金などの役所に提出する申請なども、パソコンやスマホの画面からカンタン操作、運転免許証や保険証などもマイナンバーカード1枚になろうとしている時代に、教科書や資料などは、未だに紙の需要が圧倒的である。
さてデジタルネイティブと言われる2010年代の、コレから大学生になろうとしている若者たち。本当に、電子書籍タイプの教科書で学習できるのか?電子書籍タイプの教科書は情報量が膨大に詰め込める反面、そこから精査して読解するのに時間がかかるけれど、紙の教科書は瞬間的に欲しい情報を取得可能で、それこそ電気や電波などを必要としないトイレや屋外など場所を選ばず、どこでも学習することができる。
そう言った意味で、果たして電子書籍タイプの教科書だけになるのだろうか?小生としては、どんな時代が進んでも、紙の教科書は無くならないと思っている。なぜならば、紀元前300年のプトレマイオス朝時代のパピルスより、記録として残すモノは『紙』というのが定番であり、ずっと古代から教育スタイルとしても『紙』ベースで学ぶ事がライフスタイル化しているため、この生活様式を変えるには生き方自体も変える必要があると思うからだ。
DX化が叫ばれている昨今、いかに電子と紙とのコラボで、後世の若者達に教育していくのか?アカディミックな議論を考えなければならないと思う。
(the Tokyo U-club 理事 太田政克)